鏡と毒リンゴ

鏡よ鏡 鏡さん
この世で一番 彼を愛しているのは誰?

それは貴女です・・・女王様

触れてしまえば簡単に 全てを食い尽くされてしまうのではないかと
想像した瞬間 凍える寒さが僕を現実に引き戻す
答えは一つしかないことを 彼女は誰よりも知っていて
誰よりも知っていて 今日もまた 毒を作ってる

憎んでしまえば簡単で 嫉妬は何より恥ずかしいことだと
本当はこんな 醜い自分が大嫌いなのよとこぼしながら
答えは一つしかないことに 気付かないフリしてあがいては
ベッドの上にころがして 行く当てのない 毒リンゴ

眠る花に想いを預けて 心はどこへも行けないまま
「孤独と憎しみだけが私に この場所を与えてくれるの」
触れてしまうその前に 貴女の前ではただの鏡だと思い知る
乾いた赤い唇で 真っ赤なリンゴを囓る貴女の
涙と溜息が渦巻くこの色を 僕は誰よりも知っていて
誰よりも知っていて 今日もまた 嘘をつけない

ただ一つだけ伝えたいのは  この世界はどうしようもないフィクションで
愛した人は  他の誰かを愛して 僕はどこへも行けないままで

鏡よ鏡 鏡さん
この世で一番  私を愛してくれるのは誰?
それは僕です、女王様
届かない声で僕は貴女に手を伸ばした

あなたのリンゴを僕に下さい
ここに永遠に閉じ込めて 何も考えられないくらい
その甘ったるい毒で もっと僕を虜にして
もう何も見ないで

鏡よ鏡 鏡さん
この世で一番 彼を愛しているのは誰?
それは貴女です・・・女王様

鏡よ鏡、鏡さん
この世で一番、美しいのは誰?
それは白雪姫です ・・・女王様